ぶらぶらと散歩をしていると、悲しくなる時があります。素敵なお家なのに、なぜか冷たくて淋しい感じ・・・。「何が足りないのかな・・・本当にこれが完成形なのかな?」って思ってしまう。
家を建てることに全力を出し切って、住んでしまうとそのままなにも変わらず時だけが経つことが多い。そんな中で、4年前に担当した姫路のY様邸は違っていました。私はひそかにY様の家の前を通るのが好きになった。それは、毎回花や木が変わってること。
手作りの物置が増えていたり、モニュメントにペンキが塗られていたり・・・。とにかく一歩敷地に入ると世界が変わる。どんどん「らしさ」が増していく。
決してプロの仕上げではないけれど、それ以上に温かみを感じずにはいられない。私は気づいた。私たちはあくまでも序章づくりをするだけ。本当のストーリーは住まう人が何年もかけて創り出すものなのだと。